AMDから「Ryzen 9000」シリーズが登場 - 「Zen 5」アーキテクチャーを採用した注目の最新CPU

AMDは、台北で開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2024の前日に行われた基調講演にて、「Ryzen(ライゼン)」シリーズの最新モデルとなる「Ryzen 9000」シリーズを発表しました。

マルチタスク性能に優れたCPUとして人気の「Ryzen」の最新モデルとして、気になっている方も少なくないでしょう。

「Ryzen 9000」シリーズの市場投入は2024年8月登場となっており、実際のパフォーマンスなどの詳細は登場を待つ必要がありますが、今回は現在明らかにされている主な特徴について紹介していきます。

1.「Ryzen 9000」シリーズ登場

開発コード名“Granite Ridge”と呼ばれた「Ryzen 9000」は、2022年に登場した「Ryzen 7000」シリーズの後継となるCPUで、「Ryzen 7000」シリーズの「Zen 4」コアも「Zen 5」コアとなります。
Zen 5コアの詳細については未定ですが、Zen 4と同じチップレット構造を採用しており、今回のアップデートによって、IPC(Instructions Per Cycle/1サイクルあたりにCPUが処理できる命令数)は、Zen 4に比べて平均16%向上しているとのことです。

2.Ryzenの歴史

「Ryzen 9000」シリーズの詳細をお話する前に、ここで「Ryzen」の歴史を振り返ってみましょう。
Ryzenを開発するAMDは、世界で初めて動作クロック1GHzに到達した「Atlon(アスロン)」、64ビットCPUとして注目を集めた「Athlon 64」、デュアルコアCPUとして話題を呼んだ「Athlon 64 X2」、クアッドコアの「Phenom」など、Intelに対抗する数々のCPUをリリースしてきました。
そんなAMDから、2017年に登場したのが「Ryzen」です。

「Zen」アーキテクチャーを採用した「Ryzen」は、当初グラフィック機能を内蔵していませんでしたが、2018年にはRadeon GPUを統合したAPU(Accelerated Processing Unit)として新製品を投入。
以降、グラフィック機能を内蔵したモデルと内蔵していないモデルが並行して販売されており、現行ではすべてのデスクトップ向けCPUにグラフィック機能が内蔵されています。

Zenアーキテクチャーも「Zen」「Zen+」「Zen 2」「Zen 3」「Zen 4」とアップデートを重ね、ついに2024年7月に新たな「Zen 5」アーキテクチャーを採用した「Ryzen 9000」シリーズが登場することになったのです。

3.「Ryzen 9000」シリーズの特長

「Ryzen 9000」シリーズは、「Ryzen 7000」シリーズと同じAM5プラットフォームを採用し、メモリはDDR5-5600までをサポート。
「AMD Radeon Graphics」によるグラフィック機能も内蔵しています。「A620」「X670E」「X670」「B650E」「B650」といったチップセットへの対応も謳われていますので、BIOS更新などによって既存のマザーボードでも使用できる可能性は高いと思われます。

また、「Ryzen 9000」シリーズの発表と合わせて、新チップセットとなる「X870/X870E」のリリースも明らかにされています。
X870およびX870Eの詳細についても、今のところは明らかにされていませんが、これらのチップセットを搭載したマザーボードでは、USB4.0がサポートが大きな特徴となります。
なお、AMDは、少なくとも2027年まではAM5プラットフォームを継続していくとのことです。

Ryzen9000チップセット仕様

4.「Ryzen 9000」シリーズのラインナップ

そして気になるラインナップですが、2024年7月に投入される「Ryzen 9000」シリーズのCPUは、「AMD Ryzen 9 9950X」「AMD Ryzen 9 9900X」「AMD Ryzen 7 9700X」「AMD Ryzen 5 9600X」の4種類。
最高スペックの「AMD Ryzen 9 9950X」は、16コア/32スレッドで、ブーストクロックは最大5.7GHz、80MBのL2キャッシュ+L3キャッシュを搭載し、TDPは170Wとなります。

TDPとは、Thermal Design Power(熱設計電力)の略称で、電球などと同じように単位はW(ワット)で示されます。TDPが大きい製品は、それだけ冷却が必要ということになります。「Ryzen 7000」シリーズと比べると、基本的なスペックはほぼ変わっていませんが、最上位モデル以外はTDPが大きく削減されているのがポイントです。新アーキテクチャーの採用によって、どのような性能向上が見られるのかも注目しておきたいところです。

なお、CPUコアの製造プロセスは、「Ryzen 7000」シリーズの「TSMC 5nm FinFET」から、「Ryzen 8000G」シリーズと同じ「TSMC 4nm FinFET」となっている点も注目です。I/Oダイについては、引き続き「TSMC 6nm FinFET」となっています。

最初に投入されるのはこの4製品ですが、エントリー向けの「Ryzen 3」やゲーム適正が高い3D V-Cahce搭載モデル、さらにはハイエンド向けの「Threadripper」など、様々なラインナップの登場に期待が高まります。

なお、「Ryzen 9000」シリーズの登場にあわせて、「Ryzen 5000」シリーズから「Ryzen 9 5900XT」と「Ryzen 7 5800XT」のリリースも予定されています。

5.サイコムのAMD「Ryzen 9000」シリーズ搭載パソコン

サイコムのBTOパソコンでは、以下のモデルにAMD「Ryzen 9000」シリーズを搭載します。

Ryzen 9000シリーズ搭載PC特設ページ

まとめ

本記事では、2024年8月に登場する「Ryzen 9000」シリーズについて、主な特徴やラインナップについて紹介しました。

「Ryzen 9000」シリーズは、AMDファンのみならず、これからパソコンの購入を検討している方の新たな選択肢として、ぜひとも注目してみてほしいCPUとなっています。

サイコムのBTOパソコンは、いち早く「Ryzen 9000」シリーズを搭載します。あわせて注目してみてください。

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