BTOパソコンは、自分の好みや用途にあわせてパーツを選んで組み立てられるパソコンのことです。BTOパソコンを提供するメーカーは数多くありますが、その中でもサイコムは、カスタマイズ性の高さと独自性のあるモデルが評価されています。しかし、その一方で、価格が高い、初心者には難しいといった声も少なくありません。
そこで本記事では、サイコムに関する口コミをもとに長所・短所を紐解きながら、同社の長所と短所を探っていきます。サイコムでBTOパソコンの購入を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.サイコムとは
1-1.サイコムの足跡
サイコムは、受注生産を意味する“BTO(Build To Order)パソコン”を取り扱うメーカーです。BTOパソコンはカスタマイズ可能なメーカー直販パソコンで、購入者は、あらかじめ決められた選択肢の中からCPUやビデオカード(グラフィックボード)を選択することによって自分好みのパソコンを構成することができます。
メモリなどのパーツ販売を手掛けていた同社の代表取締役社長である河野孝史さんが、パソコンの組立販売へと事業を展開し、サイコムを創業。1999年5月31日に埼玉県草加市にて、インターネットを利用したカスタムPCの販売をスタートしました。
サイコムの社名は「SYSTEM & COMPUTER」が由来。一風変わったハイエンド構成も評価が高く、“Craftsmanship”をキーワードに、職人の集団としてのこだわりを大事にしているのが特徴です。
2.サイコムの評判
2-1.インターネット上の良い評判
X(旧Twitter)などで「サイコム」をキーワードに検索すると、様々な同社に関する評判を目にすることができます。ここでは良い評判を紹介しましょう。
- 品質管理の良さに定評がある
- パーツをすべて明らかにしているのが良い
- BTOで買うならサイコム
- サイコムはサポートが最高
- 修理が早い
- パーツが良質
- 質にこだわるならサイコム
- カスタマイズの幅が広い
- 障害者割引が利用できる
- 配線が美しい
- ショッピングローンの金利手数料無料が助かる
品質の良さやサポートについて評価する声を多く目にすることができます。
2-2.インターネット上の悪い評判
一方、悪い評判には次のようなものがあります。
- 割高
- 他社と比べて少々高い
- 自作と比べると高い
- サイコムはやっぱり高すぎる
- サイコムでは買いたくない
- サイコムは安心できるけど高い
- 玄人向けで高い
- ケースが魅力的ではない
- コスパが悪い
- 自由度が高すぎて初心者向きではない
- 納期が遅い
サイコムの悪い評判はとにかく「高い」というものが多く、「価格以外は悪い点がない」といった声も見られました。
3.サイコムのメリット
3-1.カスタマイズの自由度が高い
BTOパソコンは多かれ少なかれカスタマイズ性が売りとなっていますが、その中でもサイコムはカスタマイズの自由度の高さが魅力となっています。カスタマイズページを見れば一目瞭然なのですが、特にCPUやビデオカードは幅広い選択肢が用意されていますし、メモリやストレージ関連も細かく容量を選ぶことができます。
さらにサイコムでは、不適当な組み合わせに対してアラームを表示。特にハイエンドのCPUやビデオカードを選んだ場合、電源ユニットの電源容量が足りているかが確認できたり、グラフィック機能を内蔵していないCPUを選んだ際に別途ビデオカードも選ぶように促されるのは初心者ならずともうれしいポイントと言えます。
3-2.高品質な製品の提供
サイコムでは、ほとんどすべての使用パーツに関して、可能な限りメーカー名や型番がしっかり明記されています。パソコンのパーツは、同じスペックであっても、出自のはっきりしない怪しげなものが少なくありません。せっかく購入したパーツがカタログスペック通りの性能を発揮しないこともあります。しかし、サイコムでは、同社が自信をもって選定したパーツを明記することによって、信頼性と安心感を担保しているのです。
さらに、CPUクーラーやケースファンなども、純正のものをそのまま使用するのではなく、少しでも冷却性能や信頼性の高いものを選んでいるのも注目ポイントです。パーツの選定にトコトンまでこだわり、ケーブル1本、ネジ1本に至るまで厳選されたパーツが採用されています。
なお、サイコムではメモリのみ、メーカー名などが記載されていない場合があります。メモリは非常にセンシティブなパーツなので、メーカー名だけで信頼するのではなく、自分たちの目でしっかり検証し、自信を持って提供できるもののみを選んでいるからこその結果であり、その意味では、サイコムのこだわりとも言えるのです。
3-3.充実したサポート体制
サイコムでは、高品質なパーツを使うだけにとどまらず、出荷前に必ず動作検証が行われています。どんなに高品質なパーツを使用しても、ほかのパーツとの組み合わせ、つまり“相性”によって、不具合が生じることも少なくないからです。
しっかりとした動作検証まで行われても、思わぬトラブルが起こるのがパソコンです。そのため、出荷後の保証・サポートにもサイコムは力を入れています。アフターサービスとして、オリジナルのユーザーズガイドが添付されるほか、無償で1年、有償で3年までの保証、そして専門のサポート要員が電話やメールでの相談に対応してくれますので、初心者はもちろん、経験のある人にとっても、安心してパソコンを使うことができるのです。
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3-4.独自性の高いモデルが豊富
サイコムのラインナップには、スタンダードなモデルやゲーミングPC、静音PCといった標準的な構成に加えて、一風変わった、オリジナリティあふれる構成が用意されています。
ハイエンドCPUとビデオカードの性能を存分に引き出すデュアル水冷モデル「G-Master Hydro」をはじめ、ライブ配信に特化した「Lepton Stream Box」、ファンレスCPUクーラーを採用することで究極の静音を目指す「Silent Master PRO」などの攻めた構成は、パソコンを長く使っている人からも高い評価を獲得しています。
どちらかというとハイエンドモデルに話題が集まるサイコムですが、初めてのゲーミングPCに最適な「G-Master VELOX II」など、エントリー向けのラインナップがしっかり用意されている点も見逃せないポイントです。
サイコムの主なコンセプトモデル
第三者機関によるお墨付きの空冷での静音性が魅力。静音性と性能を両立させる「NEO」と究極の静音を実現するファンレスCPUクーラー採用の「PRO」が用意されています。
CPUを水冷ユニットで冷却することによって冷却性能と静音性を両立させたモデル。水冷ユニットにはASETEK製の簡易水冷ユニットが採用されており、メンテナンスフリーで使えるのもうれしいポイントです。
CPUだけでなくビデオカードも水冷ユニットで冷却するデュアル水冷が魅力のモデル。サイコムのフラッグシップモデルともいえる製品で、ゲーマー憧れの逸品となっています。
ライブ配信に特化しており、キャプチャーカードを標準搭載。CPUの冷却には水冷ユニットが採用されているので、配信の邪魔をしない静音性の高さも魅力です。
エントリー向けのゲーミングPCで、厳選された標準パーツとシンプルなカスタマイズ性が持ち味で、初めてのBTOパソコンにおすすめの1台。
品質に定評があるサイコムの中でも、特に品質にこだわった最高級モデル。性能面だけでなく、サポート面も万全で、標準2年保証のほか無償オーバーホールサービスやアップグレードサービスにも対応します。
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4.サイコムのデメリット
4-1.価格が高い
サイコムの評判の中でもっとも大きな声は「価格が高い」「割高」といったものです。実際に他社と比較すると価格が高めなのは否定できないところですが、「質はいいんだけど価格が……」という声はまさにサイコムを表したもので、パーツひとつひとつへのこだわり、美麗なケーブリングをはじめとする丁寧な組立、しっかりとした動作検証も含めた安心の保証・サポート体制。こういった品質の良さが価格に反映されていると考えることもできます。
パソコンは長く使う機器なので、“安かろう、悪かろう”では困ります。単なる自作代行ではなく、プロが自信を持って選び抜いたパーツを、確かな技術で組み上げていく。その安心感がサイコムの最大の魅力であり、その安心感を購入していると考えれば、決して高い買い物ではないかもしれません。
4-2.納期が長い
サイコムは、受注してから、プロの職人が一台一台を丁寧に組み立て、しっかりとした動作検証を行った上で出荷を行うため、どうしても一週間程度の納期がかかってしまいます。逆に、同社は納期厳守を旨としているため、受注状況などにあわせて、確実な納期のみが知らされます。実際のところ、納期ギリギリになることはあまりないのですが、どうしても納期が長いという印象を持たれてしまうことがあるのは仕方のないところかもしれません。
サイコムの場合、パーツの在庫がない場合は受注をストップするため、入荷待ちという状態はありません。その意味では、いたずらに納期が長くなるということはなく、購入側の安心感が高いのもひとつの特徴と言えます。
なお、一部ですが、サイコムでも即納モデルが用意はされており、土日・祝日を除いて13時までに注文すると、当日発送されるモデルもあります。「すぐに入手してすぐに使いたい」、「納期はかかってもBTOならではのカスタマイズを楽しみたい」、そのあたりの判断は購入者に委ねられるところとなっています。
4-3.実店舗を持たない
サイコムはインターネットでの販売がメインで、実店舗、リアル店舗と呼ばれるものは用意されていません。そのため、実際に現物を見て選ぶということができないのがサイコムに対する不満のひとつとなっています。
PCケースのデザインなどは、WEB上の写真でも確認できますが、やはり実際に見た場合と印象が異なることも珍しくありません。パソコンは安い買い物ではないので、しっかり自分の目で確認したい人も少なくないでしょう。スタッフから直接話が聞けないのもデメリットと言えるかもしれません。
そのあたりはいかにサイコムを信頼できるかにかかってくるところではありますが、ときおりゲーム大会などでサイコムブースが出展され、実機が展示されることもありますので、そういった機会もぜひ利用してみてください。
5.サイコムは初心者には難しい?
5-1.サイコムが初心者には難しいと言われる理由
サイコムは、ほかのBTOメーカーよりも幅広いカスタマイズ性が魅力です。自分ならではのオリジナリティを発揮できる点は、ある意味玄人好みなところで、あまりパソコンに詳しくない方や初心者の方にとっては、どこから手を付けたら良いのかわからないということも少なくありません。
同社ホームページのカスタマイズページは、たしかに初心者の人にとっては呪文の羅列のように感じられるかもしれません。エントリー向けで、シンプルなカスタマイズ性を謳う「G-Master VELOX II」でも、カスタマイズページを見ると、CPUもビデオカードも多数の選択肢が並んでおり、どのランクを選べばよいか少し考える必要があります。
BTOならではのカスタマイズ性が逆に初心者のハードルを上げてしまうのは悩ましいことですが、カスタマイズはあくまでも補助要素と割り切り、サイコムがあらかじめ用意している標準構成で利用しても、十分なパフォーマンスが期待できます。
5-2.初心者は事前の電話相談がおすすめ
せっかくBTOパソコンを購入するのであれば、カスタマイズもやってみたいという方も少なくないでしょう。カスタマイズしてこそBTOパソコンと言えるかもしれません。どんなパーツを組み合わせるかを考えるのもパソコン選びの醍醐味です。パソコン購入を機会に、構成パーツについて調べてみるのもひとつの手です。
ただ、どうしてもパーツが決めきれない、どれを選んでよいのかわからないという方は、サイコムのサポートに電話で相談してみると良いでしょう。サイコムは購入後の保証・サポートに優れたメーカーですが、購入前の相談にもしっかり対応してくれます。自分の使いたい用途、プレイしたいゲームを伝えれば、予算に応じた最適な構成を紹介してくれます。初めてのパソコン選びで不安の大きい方はもちろん、細かい部分まで事前に確認しておきたい方は、ぜひサイコムのサポートに一度相談してみてください。
※購入前の相談窓口: 048-994-6070 受付時間 月~金:10時~12時、13時~17時 ※土日祝はお休みです。
6.まとめ
本記事では、サイコムの評判を良い点、悪い点に分けて紹介し、そういった評判の原因を、サイコムの特徴から探ってみました。
品質面では評判の高いサイコムですが、やはり「高い」「コスパが悪い」という声も非常に多く聞かれます。ある意味で、品質と価格はトレードオフの関係にあり、サイコムの高さは品質の良さを証明するものと考えることもできます。もちろん高ければ良いということもありません。
初めてパソコンを購入する初心者の方は特にメーカーの評判は気になると思います。評判にはそれぞれ理由があります。もしサイコムでBTOパソコンの購入を考えている方は、様々な評判の理由は何なのか、本記事を参考にしながら、考えていただけると幸いです。
北海道の牧場で馬と戯れる日々を経て、パソコン雑誌やWEBニュース媒体の編集長を歴任する。Athlonに心奪われ、Xeonに絶対の忠誠を誓ったのも今や昔。現在は、編集業を中心に、原稿執筆からカメラマン、果てはアニメの宣伝プロデューサーまで、本業不明の生活を送る。ユーザーの心をがっつり掴む各種オウンドメディアを運営中。 プロフィールはこちら
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