今回紹介する「G-Master Velox FX7」は、『ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー』の動作検証済みの推奨PC。そのデザイン性や性能についてフォーカスしたい。
世界中で長く愛されているMMORPG『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)の最新拡張パック『ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー』が、2024年7月2日に発売される予定だ。
現行の『ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ』では、ベンチマークのスコア評価基準が変更となったが、『ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー』ではグラフィックスアップデートが入ることが明らかになっている。
草や岩のテクスチャがより鮮明になり、草の揺れ方も変化。キャラクターの髪もよりリアルになる。マウントには“軸の動き”が追加され、旋回時に身体が傾くようになり、より滑らかなモーションになる。
キャラクターの手や足のポリゴン数も増え、ダンジョンの景観もよりきめ細やかになり、妖精郷イル・メグの花畑では花の密度が増すなど、至る所でその恩恵が垣間見える。
そんなアップデートが入るためか、推奨動作環境も従来よりも上がっている。
推奨動作環境は、CPUやビデオカードの性能も上がり、メモリ容量も近年のデフォルトスタンダードである16GBに変化。ストレージ容量も増加している。必要動作環境はもう少し低い性能だが、これまでギリギリの環境で遊んでいた人は、動作の重さを感じる可能性がある。
そんなこともあり、そろそろパソコン(PC)を買い換えたい、これからFF14を始めたい、といった人にオススメなのが、最新の『ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー』(FF14)推奨パソコンである「G-Master Velox FX7」だ。
目次
1.最新のFF14推奨モデル「G-Master Velox FX7」
1-1.前モデルとの違いは?
ゲームの推奨パソコンは、PCメーカーが実際に動作検証・場合によってはゲームメーカー側も動作を確認し、対象となるゲームが快適に遊べることを保証したモデル。PCの構成を見ても性能が分からないという人でも、プレイしたいゲームの推奨PCさえ買っておけば、快適に動作しない、ということはない。
ただし、推奨PCによっては、ゲームメーカーの推奨基準が解像度がフルHD(1920×1080ドット)の場合だと、4K(3840×2160ドット)では動作が重くなる、といったこともあるので、4K高解像度で遊びたい、と思っている場合は、そうした性能情報を事前に確認したほうが良いだろう。
「G-Master Velox FX7」は既存の「G-Master Velox FXV」と同じスペック構成だが、事前に『ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー』での動作検証を行い、快適に動作すると保証しているモデルになる。
今回はそんな「G-Master Velox FX7」の魅力について探っていきたい。
1-2.外観とインターフェースは?
「G-Master Velox FX7」は、ゲームに特化したサイコムのG-Master シリーズに属したモデル。『ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー』のプレイにおいて、株式会社スクウェア・エニックスの検証基準を満たし、動作確認を受けた製品となっている。
ゲーミングPCといえば、黒いケースを採用しているモデルが多い。左の側面PCの内部が見えるサイドパネルはガラス製になっていて、ファンにはLEDを搭載。ケースの前面にもLEDが施され、ピカピカと光る印象が強いのではないだろうか。
また、自作PCで流行っている、左側の支柱がなく、左側面と前面がひと繋ぎにガラス製になっていて、中を広く見せながら内部のLEDの光りがより強調される、ピラーレスケースを採用した製品も出始めている。
しかしながら、そうした製品は付加機能の分、やや高価。さらに、日本人はアンケートを取ると、シンプルなデザインであまり光らない製品の方が好むという傾向がある。「G-Master Velox FX7」は、そうしたユーザー向きのフラットでシンプルなデザインのFractal Designの「POP Silent White TG Clear」のホワイトモデルを採用。
女性人気も高く、近年増えている白を基調としながら、左サイドパネルはガラス製ではあるものの、LEDライティングはマザーボードの光りのみ。暗い部屋では、左側面がぼわっと淡く光るほど控えめだ。
また、そのライティングはデフォルトでカラーが複数に変化する。本製品はマザーボードにASRock「B660 Pro RS」を搭載。LEDライティングの制御はASRockが提供する「Polychrome RGB Sync」で行なえるので、もちろん自分好みに変更することも可能だ。
デフォルトではLEDが青や赤、緑と一定間隔で複数の色に変化していた
フロントパネルもフラットで3.5インチや5インチベイもなく、派手な模様やパンチ穴もないすっきりとしたデザイン。
フロントパネルは軽く引っ張るだけで取り外せるため、メンテナンスも容易。
右側面のサイドパネルはフロントと同じくシンプルな無地なデザイン。逆に言えば、自分で文字を書いたり、ステッカーを貼ったりと、自己表現するキャンパスにもなる。
フロントのインターフェースはケースの上部にある。この手のミドルクラスのデスクトップPCは、机の上に置くとスペースを取られるため、机の下に置いている人も多い。
そんな時は、上部にインターフェースがあると上から差し易い。
背面にはUSB 3.2 Gen1 Type-Aが4つ、USB 2.0が2つ、PS/2が1つあり、ギガビットLANが備わっている。映像出力はビデオカード側でDisplayPort 1.4a×3、HDMI 2.1×1となっている。
サイドパネルは左右ともに背面のネジを2ヵ所緩めるだけで簡単に取り外しが可能。左側面はボード長215mmのビデオカードが収まっても余裕があり、大型のCPUクーラーも収まっている様子が分かる。
内部スペースがあるため、排熱にも余裕があり、ビデオカードなどのPCパーツを自分で取り換えたり、掃除をしたりするのもラクに行なえる。
背面側には、フロントと同じ120mmのAspectファンが1基備わっている。
また、右側面を開けた先にはケーブルマネージメント用のスペース、ベルクロストラップも用意され、キレイに配線がされている。
1-3.こだわりのパーツ構成
G-Master Velox FX7に採用されているCPU、Core i7-14700Fは、インテル第13世代のリフレッシュ版となるRaptor Lake Refreshの高性能モデル。内蔵GPUが非搭載という意味で、その分コストを抑えられている。
G-Master Velox FX7はビデオカードから映像を出力するため、CPU内蔵GPU(iGPU)がなくて困ることは基本ないが、ビデオカードが故障した際に、画面を出力できない点だけは注意。
ただし、PCが故障した際は、自分で故障箇所を切り分けて調べたいといった人以外は、それほど気にする必要はない。
CPUコアは性能重視のPコア(Performance-cores)が8、省電力重視のEコア(Efficient-cores)が12の計20で、28スレッドになる。数年前までは主流だった6コア/12スレッドよりもコア数が多く、ゲームをプレイしながらの配信も快適に行なえるほどのマルチスレッド性能を有している。
最大動作クロックは5.4GHzでハイエンドなCPUの中では標準的。ベースのTDPは65Wと低めなため空冷でも運用できる、高性能ながら使い勝手の高いCPUだろう。
G-Master Velox FXVが採用するビデオカード、Manli「M-NRTX4060TI/6RGHPPP-M2546」は、香港に拠点を置くPCパーツメーカーでコスパ重視ながら堅実で高品質で高い評価を得ているManli(Manli Technology Group.Ltd)製。GPUにNVIDIA「GeForce RTX 4060 Ti」を採用。
GeForce RTX 4060 Tiは、RTX 30シリーズの同ランクモデルと比べてCUDAコア数で劣るものの、動作クロックが向上。そのうえ、最新のアップスケーリング技術DLSS 3.0、高圧縮&高画質の次世代コーデックAV1を使ったハードウェアエンコードにも対応。消費電力も下がっているといったメリットがある。
NVIDIAのGPUは末尾60だと解像度フルHD(1920×1080ドット)で、最新のPCゲームが快適に動作するクラスとしていて、さらにTiが付いたモデルは、やや無印よりも高性能なモデルになっている。
そのため、ゲームによってはWQHD(2560×1440ドット)以上の高解像度でゲームが楽しめる期待がある。FF14は「黄金のレガシー」になり、DLSS 2.0にも対応しているため、DLSSを活用すれば今まで以上に快適にプレイできる可能性がある。
また、その他のDLSS対応ゲーム、最新のDLSS 3.0対応ゲームも、DLSSを使わない時よりも高解像度で。60fps以上の高フレームレートで快適にプレイできるようになる。
さらに、CPUクーラーは知る人ぞ知るオーストリアのメーカーNoctuaの「NH-U12S redux」を採用。2013年に販売が開始された「NH-U12S」のバリエーションモデルで、120mmのファンを備えたサイドフローの空冷クーラー。
最大ノイズレベルは25.10デシベルと、価格の割には高い静音性に優れる。アルミニウム製放熱フィンは50枚で構成され、4本のヒートパイプが使用されている。外観はNoctuaのコーポレートカラーであるブラウンとベージュは使われておらず、グレーフレームのシックなデザインで、白を基調とした本PC構成に溶け込んでいる。
ストレージは自作ユーザーのなかでは定番ブランドの1つであるCrucialのPCIe 4.0対応M.2 SSD「T500」を採用。M.2 SSDはより高速なPCIe 5.0対応製品もあるが、発熱量が大幅に増え、場合によってはファン付のヒートシンクを必要とする。理論上の速度こそ高いが、ベンチマークソフトで計測した値ほど、体感できるシーンが少ない。
もちろん、それでも少しでも高速なSSDが欲しい、といったクリエイティブなユーザーなどには必要とされるが、PCゲームユーザーへの恩恵はコストの割には少ない。現状、システムドライブとして安定・安全に長く運用するならPCIe 4.0×4帯域の性能を最大限活かした本モデルは最適解とも言える。
マザーボードは市場では2万円前後とコスパの高いASRockの「B660 Pro RS」を採用。安価ながら高性能なCPUの負荷の変動に合わせて消費電力が変動するのに対して、安定した電力を供給する電源フェーズが8基と、Core i7までなら十分な構成になっている。
また、コスパの高い下位グレードの割には、しっかりとした冷却性がありそうなヒートシンクを備える。PCIe 4.0まで対応するHyper M.2には、背面にサーマルパッドを貼り付けた専用のヒートシンクを備え、発熱対策も十分。ビデオカードは、耐久性の高いPCI Express 4.0(x16)強化スチールスロットに取り付けられているため安心感がある。
さらに、7.1ch HDオーディオに対応したサウンドチップを搭載し、PCのオーディオパフォーマンスを向上させるサウンドユーティリティ「Nahimic Audio」にも対応。前述したように「Polychrome RGB Sync」も搭載し、淡く光る
1-4.注目のポイント
各パーツ構成に加え、G-Master Velox FX7のちょっとしたワンポイントな機能もご紹介。まず、フロントパネルの前面左下にはインテルのCPUロゴ、右下にはサイコムのロゴと、Fractal Designのタグが控えめに付いている。
この前面下部は引き出すことができ、USBメモリなどを入れられる小物入れになっている。
また、フロントパネルと右サイドパネルの裏には瀝青製吸音フォームが貼付され、PCから発するノイズを抑える効果を持っている。
そのうえ、底面にダストフィルターを備え、底面の電源横には3.5インチベイがあり、後からHDDの拡張も行なえるなど、静音性や高いメンテナンス性、拡張性に優れた構成になっている。
大掃除のついでにPC内部の掃除も実施したい、ストレージ容量が足らなくなったらHDDを追加したい、といった要望にも叶えられる。
2.PCの基本性能をチェック
2-1.マルチな作業が可能なCPU性能
ここまで、G-Master Velox FX7のパーツ構成や外観について紹介してきたが、やはり性能面が気になるところ。そのため、PCの基本性能からチェックしたい。まずは処理能力に必要なCPUの定番ベンチマークソフト「CINEBENCH R24」でCPUの性能をチェック。
シングルコアの性能は121ptsと、現状ゲーム性能としては最強クラスのRyzen 7 7800X3Dにも勝る性能を示す。マルチの性能も1000ptsを超え、PCゲームに加え実況配信、録画とマルチな作業をするにも十分な性能になっている。
今度は総合ベンチマークソフト「PCMark 10」で性能をチェック。
惜しくも総合スコアが9000に届かなかったが、PC構成としては妥当なところ。クリエイティブ作業に関わるDigital Content Creationは15000超えと高く、PCゲームプレイのみならず高解像度の動画編集や写真編集も快適に行なえるスペックを有していることが分かる。
2-2.ゲームによってはWQHDでも快適なGPU性能
GPU性能は定番の3DMarkで検証。
3DMarkのスコアは、解像度フルHD(1920×1080ドット)でDirectX 11対応の「Fire Strike」は3万に届きそうなほどの29879と余裕のスコア。スコアが10000から13000あれば、かなり快適なラインで、6000や7000だとゲームによるといったところ。その点を考慮すると`解像度がWQHDでDirectX 12対応のTime Spyを見る限り、WQHD(2560×1440ドット)でも快適と言える。
4K(3840×1440ドット)に関しては、重量級ゲームは難しいが、軽めのゲームなら十分動作する可能性はあるといったところだろう。
2-3.速度と容量を両立したストレージ
次にストレージの性能を確認するため、定番の「CrystalDiskMark」で速度を計測してみた。
前述したように「G-Master Velox FX7」には、PCIe 4.0×4帯域をほぼ活かし切った性能を持つT500を採用している。
シーケンシャルリードは7031MB/sとほぼ理論値どおりの性能を示している。シーケンシャルライトはやや低いが、これよりやや高いスコアの製品と比べ体感できる速度差ではなく及第点といったところだ。
2-4.空冷としては高い冷却性と静音性を両立
静音性に優れるCPUクーラーとはいえ、空冷のため冷却性能が気になるところ。そこで、CINEBENCH R24のベンチマーク中のCPUクロックと温度、使用率を「Open Hardware Monitor」でチェックした。
CINEBENCH R24での計測を開始すると、CPUの温度が一瞬60度に到達したが、その後50度前後で安定して推移。
筆者の事務所は暗騒音がそれなりにあるので、ファンの騒音計測はしていないが、たまに安価なゲーミングPCであるような、急激にクーラーが爆音を鳴らして動き出す、といったこともなかった。
3.FF14がフルHDで“非常に快適”評価!
3-1.FF14の推奨スペックは?
さて、では実際に「G-Master Velox FX7」が推奨するFF14「黄金のレガシー」が、どれぐらい快適に動作するのか、その実力を『ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー』のベンチマークソフトで確認していきたい。
その前に『ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー』の推奨スペック(動作環境)を確認しておきたい。公式では「黄金のレガシー以降(予定)」として以下のように推奨スペックを示している。
推奨スペックはCPUが2019年と5年前に発売されたインテル「Core i7-9700」以上で、ビデオカードがNVIDIA「GeForce RTX 2060」(6GB)以上またはAMD「Radeon RX 5600 XT」以上となっている。
CPUは8コア/8スレッド、動作クロック最大4.7GHzのインテル「Core i7-9700」以上とのことなので、「G-Master Velox FXV」が採用したインテル「Core i7-14700F」なら、ゲームをプレイしながら実況配信なども余裕で行なえるだろう。
ビデオカードは2世代前のフルHD推奨スペックなので、フルHD以上でプレイするなら問題になることはない。フルHD以上の高解像度で、どれだけ快適に遊べるかが焦点になりそうだ。
3-2.最新の黄金のレガシーベンチが登場、その評価とは
『ファイナルファンタジーXIV』のベンチマークソフトは、『暁月のフィナーレ』において評価基準が変わり、『漆黒のヴィランズ』が7000スコア以上が“非常に快適”だったのに対し、15000以上が“非常に快適”となった。
『黄金のレガシー』でもその評価基準は引き継いでいるが、ゲーム本編のグラフィックス向上もあるためか、スコアが『暁月のフィナーレ』のベンチマーク時よりも10~20%下がる可能性が示唆されている。
そのほかに大きな変化として解像度設定にアップスケーリング機能が追加された。ビデオカードがGeForceならDLSS(Deep Learning Super Sampling)、RadeonならFSR(FidelityFX Super Resolution)が使われる。
機能をオフにすることはできず、しきい値を「30fpsを下回った時に適用」または「60fpsを下回った時に適用」、「常に適用」の3種類から選べる。
3-3.ベンチマークのスコアは?
性能の検証は画質「最高品質」にし、出力はフルスクリーン、DLSSは「60fpsを下回った時に適用」にして各解像度ごとに計測した。GeForceのドライバーバージョンは552.22。
ちなみに、本ベンチマークソフトは、記事執筆時2024年4月26日現在の計測結果。FF14の吉田プロデューサーは、現在『黄金のレガシー』のベンチマークソフトに不具合があり、修正版を予定していることを明らかにしている。
すぐに修正版が配信されることはないようだが、修正版ではスコアが若干変わる可能性もあるため、現状の参考値として欲しい。
結果は上記のとおり。1920×1080ドットのフルHD時では15000スコアを超え、最高評価の“非常に快適”になった。しかしながら、3840×2160ドットの4K時でも、10000スコアを超える“快適”評価を示した。
3-4.実際のフレームレートは?
では、実際にフレームレートではどうなのか、レポート出力からフレームレートも抜き出してみた。
フレームレートは、フルHDだと平均137.51fpsと120Hz以上の高リフレッシュレートディスプレイを活かせる数値を示した。2560×1440ドットのWQHDでも、最低53fpsとほぼ60fps以上を維持。4Kだとしても、最低が30fpsを下回らず、平均69.14fpsと60fps以上を維持しているため、カジュアルにソロプレイしながら美麗な映像を楽しむには十分な性能を示した。
もちろん、画質は常にわずかに変動するだろうが、試しにDLSS設定を「60fpsを下回った時に適用」から「常に適用」にしてみたところ、4Kのスコアが12931と2500以上向上。フレームレートも平均89.96fpsまで上昇した。
つまりはビデオカードに余裕があり、常に60fps以上を上回っているなら、どれを選んでもスコアは変わらないが、シーンによって60や30fpsを下回った場合、「常に適用」時が最も高いスコアになるようだ。
4.そのほか定番&注目の新作ゲームの性能もチェック
最後にFF14以外のPCゲームの性能もチェックしたい。GeForceのドライバーバージョンは前述したのと同じ552.22。いずれもフレームレートを計測する「CapFrameX」で1分間ゲームを操作した際のフレームレートを計測している。最小値は99パーセンタイルの値を参照している。
4-1.定番:Apex Legendsのフレームレート
まずはFPSの定番ゲームとして『Apex Legends』での性能をチェック。『Apex Legends』は画像のプリセットがないため、ゲーム起動時のデフォルト設定を活かしつつ、フレームレートを計測している。垂直同期は無効にし、解像度適応の目標fpsは「0」にしている。
『Apex Legends』は4Kでも平均で100fpsを超え、WQHDで平均143.7fpsと144fpsの高リフレッシュディスプレイを活かせる性能を示した。筆者の所有する4K対応ディスプレイは、リフレッシュレートが144Hzで、フルHDでは144fpsと頭打ちになるので、フルHDでの正確な計測はできなかったので今回は計測していない。
FPSは解像度よりフレームレートと、応答速度が重要視される。『Apex Legends』以外で人気のFPSタイトルである『フォートナイト』や『VALORANT』は、『Apex Legends』よりも軽い傾向にあるため、FPSプレイヤーはフルHD&240Hz以上のディスプレイを用意してプレイするのをオススメしたい。
4-2.動作の重い:ドラゴンズドグマ2のフレームレート
次に動作の重い傾向にあるゲームとしてカプコンの『ドラゴンズドグマ2』をピックアップ。ビジュアルの美しいオープンワールドを旅する本作は、やや動作に不安定なところもあり、性能に余裕のあるPCでプレイしたいところ。画質設定は「高」にして、フレームレートを計測してみた。
G-Master Velox FX7が搭載するビデオカードのVRAMは8GBだが、その全てをゲームにだけ割り振られる訳ではなく、本タイトルでの使用グラフィックメモリを見ると6.89GBとなっていて、4K解像度だとやや足らず動作に不具合が出る可能性がある、といった感じのメッセージが表示される。
しかしながら、4K解像度でも平均44.6fps、最小値も35.7fpsと30fpsを超え、十分快適に動作しているのは立派。謎なのがWQHDとフルHDがほぼ同じフレームレートというところ。オープンワールドでバトル中に計測しているため、毎回同じシーンという訳にはいかないこともあるので、最小値がフルHDの方が低いが、これはあまり深く考える必要はなさそう。
DLSSを有効にしてもほぼ同じ、もしくはフレームレートが逆に下がることもあったので、ある程度の性能範囲だと平均60fpsに集約するよう動作するプログラムが組まれているのか、それとも相性の問題なのか、そのあたりが良く分からない。
だが、基本4Kより解像度を抑えれば、平均60fps前後で動作し、快適にプレイできることは間違いない。
4-3.最新タイトル:SAND LAND
故・鳥山明氏の作品を題材とした本作は、鳥山氏の漫画がそのままゲームとして楽しめると、Steamでは執筆時点で“非常に好評”評価となっている。画質は「高」設定でフレームレートを計測した。
『ドラゴンズドグマ2』のように広大なフィールドを移動するゲームではあるが、前者はリアルよりのビジュアルで、こちらはアニメーションといった違いがあり、かなり動作が軽い。CapFrameXでの計測が、『Apex Legends』のようにディスプレイのリフレッシュレートに依存せず、ゲーム内フレームレートとして計測でき、フルHDでは平均259.7fpsとなっている。
4K解像度でも平均88.2fpsと60fpsを優に超え、4K&120Hz以上のディスプレイの性能を活かし、快適に遊べるようだ。
5.【ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー】推奨パソコン
5.「G-Master Velox FX7」
BTOメーカー・サイコムのラインナップにおいて、エントリー向けに位置付けられるゲーミングPC「G-Master Velox」シリーズを、最新拡張パック『ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー』(2024年7月2日発売予定)向けへと最適化したモデルが「G-Master Velox FX7」です。
エントリー向けとはいえ、Intel Core i7-14700FとNVIDIA GeForce RTX 4060 Ti搭載ビデオカードの組み合わせを採用しており、マシンパワーを必要とする『ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー』も快適にプレイすることができます。
動作検証もしっかりと行われた『ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー』推奨モデルなので、初めてゲーミングPCを購入する方にもおすすめの一台となっています。
「G-Master Velox FX7」の標準構成 |
---|
CPU:Intel Core i7-14700F(20コア/28スレッド) マザーボード:Intel B660チップセット メモリ:DDR4-3200 16GB(8GBx2) ストレージ:超高速 NVME SSD 1TB グラフィック:NVIDIA GeForce RTX™ 4060 Ti 8GB OS Windows11:Home(64bit) 外形寸法:幅215×奥行き473.5×高さ454mm |
「G-Master Spear FX7」
サイコムのゲーミングPCにおいてスタンダードモデルとなる「G-Master Spear」シリーズにも、最新拡張パック『ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー』(2024年7月2日発売予定)推奨モデルとなる「G-Master Spear FX7」がラインナップ。
「G-Master Spear Z790/D5」をベースとしつつ、Intel Core i7-14700KFとNVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER搭載ビデオカードの組み合わせにパワーアップ。CPUクーラーもNoctua製「NH-U12S」を採用しており、『ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー』はもちろん、最新のPCゲームにも十分対応できるスペックは必見です。
『ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー』の登場を機会に、よりパワフルなゲーミングPCへの買い替えを狙っている方には特に注目してほしい一台です。
「G-Master Spear FX7」の標準構成 |
---|
CPU:Intel Core i7-14700KF CPUクーラー:Noctua NH-U12S マザーボード:Intel Z790チップセット メモリ:DDR5-4800 16GB(8GBx2) ストレージ:超高速 NVME SSD 1TB グラフィック:NVIDIA GeForce RTX™ 4070 SUPER 12GB Manli製M-NRTX4070S/6RFHPPP-M2592 OS:Windows 11 Home 外形寸法:幅220×奥行き506×高さ493mm |
5.まとめ
「G-Master Velox FX7」は、2024年7月2日(火)発売予定の最新拡張パック『ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー』推奨のゲーミングPC。黒ケースも選ぶことはできるが、デフォルトは女性にも人気な白色のPCケースFractal Design「POP Silent White TG Clear」を採用。
自己主張の強い模様や意匠もなく、日本人好みのシックなデザイン。しかしながら、最低限左サイドにガラス製のサイドパネルを採用し、マザーボードから発する淡いLEDライティングで内部を照らす上品な1台に仕上がっている。
『ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー』のベンチマークソフトの結果が示すとおり、フルHDでなら平均137.51fpsと余裕で120fpsを超え、4Kでも平均69.14fpsと60fpsを超えるほど快適。
最近の中では動作の重い『ドラゴンズドグマ2』でも、WQHDで平均63.1fpsと60fpsを超える性能を示し、今後発売されるビジュアル重視のリッチなPCゲームもWQHD以上の高解像度で遊べる期待がある。
PCゲームの必要・推奨動作環境は、5~7年前くらいのミドルクラス以上を示すことが多く、現行のミドルクラス以上の性能である「G-Master Velox FX7」は、以降5年くらいはある程度のPCゲームが快適に遊べるはず。
最近PCゲームプレイ中の動作に不満を抱えていて、映像がやや高画質化し、動作が少し重くなるFF14黄金のレガシー用に買い替えたい、今後発売される最新PCゲームも快適に遊びたい、といった人は、「G-Master Velox FX7」の購入を検討してみてはどうだろうか。
記事内のゲームタイトルおよびプレイ画像は、ゲーム会社の開発会社や提供会社に著作権が帰属します。
ファイナルファンタジーXIV © SQUARE ENIX
Apex Legends © 2024 Electronic Arts Inc.
Dragon's Dogma 2 © CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
SAND LAND ©Bandai Namco Entertainment Inc.
ゲームとゲーム向けハードを扱うメディア「LevelUp Logy」の代表取締役&編集長。ゲームの攻略本編集者、ネットワーク周辺機器メーカーのマニュアル制作、週刊アスキー編集者を経て独立。前職から半導体、PC、ガジェット、ゲームと担当の幅は広い。どんなデバイスが、どうゲームを快適にするかを考えるのが好き。最近は社長業、編集者、テクニカルライターと二足どころじゃない草鞋を履いて四苦八苦している。
BTOパソコン売れ筋ランキング
(10月1日~10月31日)
-
- 1位G-Master Spear X870A
- Zen5アーキテクチャ採用のAMD Ryzen 9000シリーズを搭載するミドルタワー型ゲーミングPC。高性能と高拡張性を実現したゲーマー向けハイエンドモデルです。
-
- 2位Radiant GZ3600X870A
- Zen5アーキテクチャ採用のAMD Ryzen 9000シリーズ搭載ATXミドルタワー型モデル。BTOならではのカスタマイズの幅が広いスタンダードなモデルです。
-
- 3位Silent-Master NEO B650A
- こだわりのNoctua製空冷CPUクーラーを採用し、エアーフローと静音性のバランスを極めた静音PC。AMD Ryzenプロセッサを搭載するATXミドルタワー型モデル。
-
- 4位Radiant GZ3500Z790/D5
- インテル® Core™ プロセッサとDDR5メモリを搭載するATXミドルタワー型モデル。BTOならではのカスタマイズの幅が広いスタンダードなモデルです。
-
- 5位G-Master Velox II Intel Edition
- 高品質なパーツを採用した納得の標準構成と厳選されたオプションパーツでシンプルなカスタマイズが楽しめる新機軸のゲーミングPC!
定番のインテル® Core™ プロセッサ搭載モデルです。
-
- 6位Radiant VX3100B660/D4
- インテル®Core™ プロセッサ(第14世代)採用のMicroATXミニタワー型モデル。ミドルタワー型PCは大きくて置けない、でも高性能なパソコンが欲しい!とお悩みの貴方にオススメ!
-
- 7位G-Master Hydro X870A Extreme
- Zen5アーキテクチャ採用のAMD Ryzen 9000シリーズを360mm大型ラジエーター搭載水冷ユニットで強力に冷却。更にサイコム独自に水冷化したNVIDIA製高性能GPUを組み合わせたデュアル水冷PC!
-
- 8位G-Master Spear Z790/D5
- DDR5メモリとインテル® Core™ プロセッサを採用するミドルタワー型ゲーミングPC。
高性能と高拡張性を実現したゲーマー向けハイエンドモデルです。
-
- 9位Aqua-Master X870A
- CPUの冷却機構に水冷方式を採用し冷却能力を向上させた、AMD Ryzen 9000シリーズ搭載ミドルタワー型PC。
-
- 10位Premium-Line X870FD-A
- いいものを、永く。標準2年保証、無償オーバーホールなど末永くご愛用いただくためのアフターサービスも充実したサイコムが提案する新たなPCのカタチ。その名は、Premium Line